着付け教室白檀 ブログ「和装メイクのポイント」
2025/05/14
着物を着る日は、いつもと同じメイクではどこかちぐはぐに見えてしまうことがあります。
洋服に合わせたメイクと、着物に合わせたメイクでは、「調和の美しさ」に求められる要素が少し違うのです。
今回は、着物に映えるメイクのポイントと、洋服メイクとの違いをわかりやすくご紹介します。
1. 肌づくりは“透明感とマット感”が鍵
洋服のメイクではツヤ肌や立体感がトレンドですが、
着物にはマットでなめらかな肌がよく映えます。
- ベースはトーンアップ系の下地+セミマットのファンデーション
- パウダーでテカリを抑え、なめらかな質感を演出
- シェーディングは控えめに、“骨格よりも質感”を大切に
→ 着物のシルエットはフラットで直線的。顔もそれに合わせ、陰影より均整の取れた印象を目指しましょう。
2. 眉は“きちんと感”と“柔らかさ”を両立
着物姿では、眉が印象を左右します。
- 洋服メイクよりやや太め&まっすぐめに描くと上品
- 色は髪色よりワントーン明るく、ふんわり仕上げるのがコツ
→ 洋服の時はトレンドを意識した角度や色に寄せることが多いですが、
着物では流行より調和が大切。顔立ちとの自然なバランスを重視しましょう。
3. アイメイクは“引き算”で美しく
洋服ではアイラインやラメ、カラーを取り入れた“攻めメイク”が映えますが、
着物では目元は引き算が基本です。
- アイシャドウはベージュ~ブラウンなどのナチュラルカラー
- ラメは控えめ、質感はパール程度が上品
- アイラインはまつげの隙間を埋める程度に細く
→ 主張しすぎない目元は、着物の柄や襟元の美しさを引き立ててくれます。
4. チークは“内側からにじむ血色”で上品に
- 洋服メイクではチークの位置や色で印象を変えることが多いですが、
着物では笑ったときに自然に色づく位置にふんわり入れるのが正解。 - オレンジ系やピンクベージュ系など、肌なじみの良い色を選びましょう。
5. 唇は“顔の印象を決める主役”
着物メイクでは、リップが顔全体の印象を決めます。
- 色はローズ系、赤系、くすみピンクなど落ち着いた華やかさを意識
- 輪郭をしっかり取り、丁寧に塗ることがポイント
- 洋服メイクのようなグラデリップやラフなぼかしは避け、きちんと感のあるリップメイクを心がけましょう
まとめ|着物メイクは“調和と品”がテーマ
洋服のメイクは「自己表現」、
着物のメイクは「全体の調和とたたずまい」を大切にする——そんなイメージです。
ポイントは以下の通り:
- 肌はセミマットに整える
- 眉とリップで“きちんと感”を
- アイメイクは引き算、リップで引き締め
- チークは内側からの自然な血色感を意識
着物とメイクの美しいバランスを知ることで、あなたの和装姿はさらに洗練されていきます。
メイクも着物の一部として、「静かな華やかさ」を楽しんでみてくださいね。